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イワシの塩焼き

Posted by ルア on 13.2018 ポルトガル料理   0 comments   0 trackback


6月には入り頭上の太陽が少し迷惑と感じるようになると、旧市街や海岸沿いにある大衆レストランの軒先から煙の量が今まで以上に増えてくる。炭焼き台の上にのせられたニワトリや豚肉からイワシが主人公の座につき始める頃である。
大西洋に囲まれたイベリア半島西端にあるポルトガルでは、昔から漁業が盛んでイワシをはじめアジやサバの他、真鯛、太刀魚、クエ、スズキ、ヒラメ、アンコウ、遠海ではマグロ漁も盛んに行われている。狂牛病の影響もあって、魚を好んで食べる人も多く、魚の消費量はヨーロッパでもトップクラスである。
高級レストランやその他のヨーロッパ諸国では見向きもされないイワシだが、初夏の風物詩には欠かせないものとなり、ポルトガル人の多くもそろそろ脂がのってきたのか気になり始める頃でもある。
旬の時期に市場に行くと、その他の魚が水揚げされなかったかと錯覚させられる位イワシのトロ箱が目立ち、売れ筋もダントツで大衆魚の帝王の座を揺るぎがたいものにしている。
ポルトガル流イワシの塩焼きであるが、うろこなどとらずダイナミックに荒塩をイワシに振りかける。30分もして炭の火加減が良くなる頃に手づかみで網の上にイワシを並べていく。
焼き上がったイワシはパンにのせ、オープンサンドに仕立てかぶりついてたいらげる。うろこも香ばしく焼き上がっているので、口にしても違和感はない。もう少し、上品な食べ方をしたいなら、ボイルしたジャガイモとサラダと一緒にフォーク・ナイフでたいらげる。
パンにのせての立ち食いでもテーブルに座っての食事でも、赤ワインはイワシの塩焼きには欠かせない。気取って食べる魚ではないから、ワインも昨年収穫の葡萄で造られた大衆的なものがあう。樽から直接グラスに溢れるほどについだワインと一緒に食べられるならなおいっそうにイワシの味も引き立ってくる。
イワシが美味しいレストラン探しは、まず大衆レストランを中心に探すことになる。高級レストランでは、大衆のイメージを嫌っているのか、単価が安い魚では他の魚料理との値段のつり合いが取りづらいと考えているのか、本当のところは知る由もないが、まずイワシ料理すらお目にかかることは難しい。
大衆レストランでは、軒先でイワシを焼き台の上で焼いていることが多いから、煙が黙々と舞い上がる店に入りたい。6月も中旬を過ぎるとイワシに脂が乗り始め、脂の乗り具合を焼き台の煙でまずは判断する事になる。
煙のあがり具合が合格なら、焼き台の横のイワシに目を向ける。鮮度は当然の事ながら、仕込まれたイワシの量に注目する。焼き台にのる30分以上前から荒塩をたっぷりと振りかけられた状態にされるのが通常なので、イワシの塩焼きが多く売れる店ほど塩がかけられたスタンバイ状態のイワシの量が多くなる。
店にもよるが、水揚げ港を店頭に明記してあるところもある。リスボン近郊で言うなら、セジンブラやペニーシェという代表的な漁港名が書かれた品質お墨付きの意味合いの張り紙が掲げられたりもする。
せっかくポルトガルで食べるのだからポルトガル産のイワシにしたい。最近ではスペインからも大量にイワシが輸入されているが、一般的にポルトガル産が高値で、スペイン産が安値である。その理由を現地の人に聞けば、ポルトガル産は美味しくスペイン産はまずいからと言う単純明快な答えしか返ってこないが、真相は漁法の違いからくるようだ。
ポルトガルでは撒き餌をしてイワシを網に掛ける事はまずしないようであるが、お隣のスペインでは撒き餌も行うらしい。撒き餌で寄ってきたイワシは条件反射で胃酸がでる。イワシの胃酸は非常に酸が強いため、食べた餌を消化するだけではなく、イワシそのものの身まで酸で痛めてしまうそうだ。
条件がそろった店を見つけたら、とにかく試食する事になるが、注文は一人前でする場合と、イワシの数で注文する場合がある。町中にあるレストランはたいてい一人前での注文で、一人前には15センチ前後のよく肥えたイワシなら6匹前後、少し細めになると数が若干増えることもある。イワシの塩焼きにジャガイモの煮込みとサラダが盛り合わせて出てくることが多い。
リスボンにある夏期だけオープンする“フェイラ・ポフラール”と呼ばれる簡易遊園地には、イワシの塩焼きを売り物にしている何十というレストランがひしめき、どのレストランに入っても、イワシを数で注文をする方式を取っている。現地の若者の集まりなら何ダース単位で注文をしていることが多く、サラダやその他の付け合わせは別注文になるようだ。
また、レストランの中には、イワシの炭焼きではなく、鉄板でイワシを焼いて客に出すところもあるが、イワシの塩焼きは炭焼きにこだわりたい。
イワシの食べ方として塩焼きが一番ポピュラーだが、小イワシなら唐揚げでビールのつまみに、塩で閉めマリネにしたり、塩漬けの保存食にしたりで、イワシ入りのパンを焼く地方もある。漁師街では丸干にされたイワシもお目にかかることができ、ヨーロッパの中で一番の日本の食感に近い国だと安堵させられることもある。
夏の帝王のイワシも海水浴客が少なくなり出す9月も半ばを過ぎると人気も下降気味になり、イワシに代わって大衆魚ならアジ、肉系統ならスペアリブやボーンステーキが炭焼き台に並べられてくるようになる。
ヨーロッパで唯一イワシが食卓に並ぶことが許されている国ポルトガル。来年も今年以上に脂がのったイワシに恵まれ、“ポルトガル人の胃を大いに満足させてくれ”と気が早いもので毎年小春日和のころから祈っている。

でも今年は天候不順が続き、イワシの味もピリッとしない。

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ARIGATO10周年

Posted by ルア on 17.2018 ポルトガル料理   0 comments   0 trackback


リスボンの闘牛場Campo Pequeno(カンポ・ペケーノ)にポルトガル人に人気の寿司レストラン「アリガト」があるが、今まで日本の某番組で2度撮影させて頂いたことがある。その内容はと言えば、快く撮影承諾して頂いたオーナーの好意に反するような番組(視聴者獲得)目線が優先した面白ければそれでよい低レベルのバラエティーだった。
そのオーナーのジョアン・バナゾール氏からレストラン10周年記念本出版の協力要請を受けたのが昨年3月、その後1985年にポルトガルで最初にオープンさせた日本料理店の料理の一部を紹介させて頂く事になった。昨夜出版記念セレモニーがあり出席したが、地元ファンで会場は溢れていた。





1985年と言えば独裁政権から抜け出し10年余り、EU加盟前で、醤油をはじめ日本食品が手に入らない時代だった。スペインまで夜行列車で買い付けに行くこともあったが、寿司はもちろんのこと「生もの」を食べる慣習とはまだ程遠いこの国で「日本食とは」を浸透させるのには相当年数をようするように思った時代でもあった。


どういう訳かシェフCHIMOTO


21世紀にはいり中華レストランを畳み(俄か)日本レストランに変身する店が増えだし、ブラジルからフルーツを使ったり揚げたりするフュージョン寿司が入るようになり寿司ブーム開花のきっかけとなったが、今では数え切れない寿司レストランが国中に溢れている。
多くは伝統的な日本寿司ではなく、カラフルで味のバラエティーに富んだニュースタイルのポルトガル寿司が人気を集めているようだ。日本人の多くはこれは寿司ではないと批判するが、中華料理やフランス料理が日本人好みの味付けになったように、寿司もポルトガル人好みに変身したと考えれば納得できる。

この「アリガト」連日満席で予約必決になるが、雰囲気もよし「シャリ」も及第点、ビュフェスタイルで寿司の他、焼き鳥や餃子も楽しめるので寿司が苦手なポルトガル人とも同伴できるメリットがある。
「10シュウーネン、オメデトウ、ジョアンさん」

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「KASUTERA」 開店中

Posted by ルア on 08.2017 ポルトガル料理   0 comments   0 trackback


Tiago氏からの電話が鳴った。
「店に来てくれている」
「一昨日も店に寄ったけど、ティアゴはいなかったね。」
と返事をしたところ、老舗の缶詰店Conserveira de Lisboa ではなく、「カステラ」専門店をオープンしたという事だった。
カステラの元祖はポルトガルのPão de Lóと呼ばれる玉子をふんだんにつかったお菓子と言われているが、ポルトガル人のパウロ氏(現在は京都で活躍中)が長崎で修行しポルトガルに里帰りさせたのが何十年か前、そのパウロ氏よりの置き土産で製造工程を取得し「KASUTERA」をちょうど一ヶ前の11月8日にオープンしたという事だった。
住所を聞くと、Rua do Paço dos Negros, 51 LISBONネットで調べると観光客に人気のトラム28番が走る駐車スペースにはまず出くわせないような不便な場所のように思えたが、実際に訪れると確かに駐車スペースこそないものの、一昔前とは違いオシャレな店やカフェが立ち並び、人気スポットのカモエンス広場からも徒歩で寄れるこれからのポテンシャルを感じさせる所に店があった。
店では通常のカステラの他、抹茶カステラも売られていた。
味はというと、日本のカステラより少し甘めに感じ、しっとり感が足らないようにも思えたが、十分に日本の味を満喫させてくれるので「KASUTERA」オープンは嬉しい限りだ。
カステラは写真のIngridさんが作っていると聞いた。
ティアゴとイングリッド






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変わった寿司あります!

Posted by ルア on 14.2015 ポルトガル料理   0 comments   0 trackback
Apple maki

最近やたらと「Sushi」の看板が目につく様になった。
中国人が中華料理店(これも99%以上が本来の中華ではなく、ポルトガル料理中華風であったが)を閉め、内装はほとんど同じままに怪しげなジャパニーズ・ディスプレー、店員も料理人も同じ人達の中国商魂魂の塊のようなすし店。
ブラジルより影響を受けフルーツをふんだんに使った揚げ物有り、スイート系有りのすし店など、リスボンには80店以上も存在するという。

遅らばせながら、ポルトガルも寿司ブームの今日だが、そんな可笑しなすし寿司達を取材する機会があった。
先ずは中国系の寿司店の多くはビュフェ方式で食べ放題、寿司の他に焼きそばなどの中華メニューも加わる傾向があり経営は中国人。
ブラジル系はフィージョン寿司の傾向が強いが、日本人移民が多いブラジル。日本からの寿司に現地のトロピカルフルーツやクリームチーズをふんだんに使い。甘いシロップから唐辛子まで、これでもかと味覚麻痺攻撃を仕掛けてくる。
ネタの旨味を生かすためのシャリとの調和や、素材の味を生かそうとする日本料理の本来のものからは大きくかけ離れてしまっているように思えた。

フィージョン寿司を何件も食べ歩きした際の写真の一部を紹介したい。

カクテル風寿司

寿司ケーキ

いちご、バナナ揚げクリームチーズ入り デザート寿司?

カツ寿司

カツサーモン


リスボンに昨年寿司学校が誕生した。
学校といっても営業を営みながら生徒に本来の寿司を指導するというものだが、この寿司学校のシャリは筆者好み、ネタの種類は若干少ないが、多くのすし店のようにサーモンと腐りかけの赤身しかメニューにないのとは違い満足出来るものであった。
縁もあり、日本料理、文化のレクチャーをさせて頂いたが、新入生達よりの質問攻めに将来のポテンシャルを感じることができた。

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イワシを食べました。

Posted by ルア on 13.2015 ポルトガル料理   0 comments   0 trackback
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今日はサントアントニオ祭、リスボンで、いやポルトガルで一番イワシの消費が多い日だ。
サントアントニオはリスボンで生まれた縁結びの聖人。この祭では集団結婚式(今年は11カップルが参加)、マルシャ(歌い踊りながら行進)、街の至る所でにわかレストランがオープンしイワシの煙がその存在を示している。アルファマ地区は祭のメッカで日本の初詣を思い起こさせる混雑ぶり、大げさな表現をすればイワシの煙に覆われ視界を遮るほどである。

祭は6月12日の前夜祭が一番の盛り上がりを見せるが、暗くなる前の昼食時にイワシを食べる機会があった。
今年は春が遅かったことが原因しているのか、脂ののりはイマイチのように感じたが、今やポルトガルの初夏の季語にもなっているイワシを食べる満足感は特別なもの。サントアントニオ祭に乾杯をしながら、定番の赤ワインと共に美味しくいただいた。

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プロフィール

ルア

Author:ルア
プロフィール 千本佳男
ちもと よしお
(写真は息子です)

ポルトガル在住30年以上
職業   取材・コーディネイター
星座   魚座 
血液型  B型
住む理由 気候がよく、ワインも食べ物も美味しいポルトガルの虜
趣味  昔はウインドサーフ、現在はもっぱらネットサーフ
好きな物 ポルトガルではワイン、日本では餡このお餅
得意な事 サッカー取材
日本の家 神戸にあります
ポルトガルの家 リスボン郊外25キロの住宅街
事務所  海と世界遺産シントラの山が見える丘の上

やろうと思う事 ポルトガルの写真を沢山撮って紹介したい

*****チモト実績*****

依頼源 ポルトガル
ICEP(ポルトガル貿易・観光振興庁)
IPPAR(ポルトガル歴史建造物保存院)
ポルトガル政府観光局
裁判所関連書類翻訳
メディア翻訳・ナレーション・通訳等

依頼源 日本
各官庁、地方自治体の業務請負
ポルトガル博覧会日本館チーフ・コーディネイト
大手商社業務委託
商品調査
イベント関連、 その他、

NHK
EUサミット・リスボン
首相インタビュー
大河ドラマ 信長
世界ふれあい街歩き
世界入りにくい居酒屋
Wカップリサーチ・選手インタビュー
その他、 報道、文化、スポーツ番組

民放(各社一番組紹介)
開局40周年 大航海!謎と夢のコロンブス大紀行 NTV
めさましテレビ フジ
深夜特急98 NBN
新ポルトガル謎紀行 TBS
道浪漫 MBS
旅サラダ  ABC
ワールドビジネスサテライト TV東京
ユーロ(ヨーロッパサッカー選手権)WOWOW
赤道大紀行 CBC
にじいろジーン KTV
GAORA、KBS、KTS、TOS、SAGA-TV、旅チャンネル、その他

映画 東宝「7月24日通りのクリスマス」 

新聞 朝日、読売、毎日、その他

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